カゴ釣り両軸リールは遠投性能と操作性を兼ね備えた魅力的な選択肢です。スピニングよりも糸ヨレが少なく、太いラインでも飛距離を伸ばしやすいのが特徴。今回は選び方のポイントや飛距離アップのコツ、おすすめリール、そして使用時の注意点を詳しく解説します。
カゴ釣り両軸リールの選び方

ラインキャパシティとスプール径

- 太糸でも飛距離確保
- 200m以上巻ける余裕
- スプール径は大きめ推奨
カゴ釣りでは4号~6号あたりのナイロンを200m以上巻ける余裕があると安心です。スプール径が大きめのリールは放出抵抗が少なく、太糸でも飛距離を伸ばしやすくなります。余裕のあるラインキャパが快適さを左右するポイントです。
細いラインなら余裕が生まれますが、あまり薄すぎるとライントラブルのリスクも上がります。自分のターゲットや釣り方に合わせて適切な号数を選びましょう。
キャスティングコントロール(ブレーキシステム)

ブレーキシステムはバックラッシュ対策の要です。初心者は20段階前後など細かく調節できるマグブレーキがおすすめ。慣れてきたらブレーキを緩めて飛距離を伸ばせるため、段階調整の幅が広いモデルを選ぶのがポイントです。
遠心式は調整がシンプルですがやや慣れが必要です。まずはマグブレーキから試してみると良いでしょう。
ギア比と巻き取りパワー
- 回収速度とパワー
- ハイギアかXHか
- 重い仕掛けへの対応
仕掛け回収の効率を重視するならハイギア以上がおすすめです。カゴ釣りは重い仕掛けを投げ続けるため、巻き取り時のパワーもしっかり確認しましょう。エクストラハイギアは早巻きが利点ですが、巻きが重くなることもあるのでバランスを見極めて選びたいところです。
青物狙いなら仕掛け回収速度が大事になるのでハイギアかXHが有利です。ただし巻きの重さとの兼ね合いも考慮してください。
ドラグ性能とスプールフリー性能
大型回遊魚や真鯛を狙うならドラグ力は5kg以上が目安。スムーズなスプールフリー性能があれば、着水直後のトラブルも軽減できます。ドラグの滑り出しが良く、スプール回転が安定しているかをチェックして選びましょう。
ファイト時の状況に応じて微調整すると根ズレやラインブレイクを防ぎやすくなります。少しずつ調整するのがポイントです。
耐久性・防水・防塵性能
海岸や磯での遠投は、塩分や砂の混入リスクが高めです。防水・防塵構造のリールを選ぶとメンテナンスが楽になり、長寿命化につながります。特に海水がかかる場面が多い場合は、防水シールやマグシールドなどの機能を重視しましょう。
海水がかかったら軽く水洗いし、月1回程度グリスアップやオイル差しをすると長持ちしやすいです。
カゴ釣り両軸リール遠投で飛距離をアップさせるコツ

ブレーキシステムとスプールテンションの最適化

- バックラッシュ予防を重視
- ブレーキ力は段階的に調整
- スプールテンションを適正化
飛距離を伸ばすためには、スプールの回転をできるだけロスなく維持する設定が重要です。最初はブレーキを少し強めにして慣れたら徐々に緩めると、バックラッシュしにくく遠投性能を伸ばせます。スプールテンションも仕掛けの重さに合わせましょう。
極端にブレーキを切るとバックラッシュしやすくなるため注意が必要です。無理せず徐々に調整しましょう。
ラインの号数と巻き量に注意

5号~6号のナイロンを使用する場面が多いカゴ釣りでは、あまりに太すぎると飛距離が伸び悩みます。逆に細すぎるとライントラブルが増えるのでバランスが大事。仕掛けやターゲットに応じて最適な号数を選び、巻き量もしっかり確保しましょう。
最低200mはあったほうが遠投時も安心です。余裕を持たせるなら少し下巻きをして、合計200m以上に調整しましょう。
ロッドに正しく負荷をかけるキャストフォーム
- 遠投竿のしなりを活用
- 右手と左手で押し引き
- 振り抜くタイミングが重要
両軸遠投では、ロッド全体をしならせて最大限の反発力を利用するキャストが肝になります。右手と左手で押し引きすることで竿にしっかりパワーを蓄え、リリースタイミングを合わせて一気に放出。慣れないうちは力みすぎず、フォームを安定させましょう。
いきなり100m超えは難しいので、まず50~60m安定を目指し、フォームに慣れてから徐々に距離を伸ばしましょう。
リリースタイミングとサミング技術
遠投ではリリースタイミングをやや早めに取ると高い弾道を描きやすくなります。サミングは着水直前だけでなく、キャスト中に糸の膨らみが大きくなりそうな時にも軽く抑えるのがコツ。慣れるとブレーキと連携してバックラッシュを最小限にできます。
最初はコントロール重視で慣れ、フォームが安定してきたらブレーキを緩めて飛距離を伸ばしましょう。
空気抵抗を抑える仕掛けセッティング
仕掛けが重く大きいほど空気抵抗が増して失速しやすくなります。空気抵抗の少ない形状のカゴやウキを選んだり、仕掛けの重心を調整したりすることで更なる遠投が可能です。余計なパーツや長すぎるハリスなどを見直すことも意外に効果的です。
短くし過ぎるとアタリ取りにくくなる場合もあります。遠投重視なら適度にコンパクト化すると良いでしょう。
おすすめのカゴ釣り両軸リール7選
アブガルシア (Abu Garcia) Ambassadeur (アンバサダー) 6500 シリーズ カウンターバランスハンドルタイプ 各種(カゴ釣りなど)

アンバサダー6500はカスタマイズ性が高く、遠投性能が魅力のシリーズです。パワーハンドルが付いているタイプも多く、巻き取り時の安定感を得やすいモデルです。
ダイワ(DAIWA) 17 シーホーク 300遠投

遠心ブレーキを採用したベーシックなカゴ釣り用両軸リール。価格帯も比較的手に取りやすく、安定した飛距離と操作性で入門機としても人気を集めているモデルです。
ダイワ(DAIWA) カゴ遠投用両軸リール シーホーク TW 遠投

最新のTウイングシステムを搭載し、ライン放出時の抵抗を軽減したカゴ専用リール。剛性アップとパワーハンドルの採用で、タフなシーンでも巻き取り力を発揮します。
ダイワ(DAIWA) 両軸リール 17 ダイナスター 150/250/300 (2017モデル)

コストパフォーマンス重視のユーザーにも人気のシリーズ。サイズによってラインキャパが選べ、初心者から中級者まで幅広く使用可能な両軸リールです。
タトゥーラTW 400H(XH)

マグブレーキが優秀でバックラッシュしにくいのが特長。軽い力で遠投しやすく、ドラグ力も高いので大物にも対応しやすいモデルです。ハイギアやXHで回収力を選べるのも魅力。
シマノカルカッタコンクエスト400

丸型ベイトの高級機でありながら、剛性の高さと滑らかな巻き心地が評判。重量のある仕掛けでもしっかり扱いやすく、タフな環境下での遠投カゴ釣りにも頼りになるモデルです。
使用時の注意点

ラインチェックをこまめにする
両軸遠投では高い負荷と摩擦がかかるため、ラインにダメージが蓄積しやすくなります。特に5号や6号などの太めナイロンでも、キャストを繰り返すと傷が入りやすい点に注意しましょう。釣行ごとにラインの表面を軽く触ってザラつきがないか確認すると、トラブルを未然に防ぐことができます。
軽度なら先端を数メートル切って使うのもありですが、大きな傷やザラつきが広範囲なら交換がおすすめです。
潮や砂の付着を放置しない
海岸や磯での遠投は潮風や砂がリールに付着しやすい環境です。放置するとギア内部にまで入り込み、回転不良や腐食の原因になります。釣行後は真水で軽く洗い流し、表面を丁寧に拭き取ることでリールが長持ちし、性能低下も防げます。塩分残留には注意を払いましょう。
水気をしっかり拭き取り、風通しの良い場所で乾かしましょう。ベアリング部分はオイルを差しておくと錆を防げます。
ドラグ設定とファイト姿勢に気を配る
カゴ釣りは仕掛けが重く、大型魚も視野に入る釣りです。ドラグは強めに設定しすぎるとラインブレイクのリスクが上がります。逆に緩すぎると根に潜られる可能性が高まるので、ファイトの瞬間に備えたドラグ調整が重要。あわせてポンピングなど適切なファイト姿勢で魚をいなし、取り込みに備えましょう。
障害物が多いエリアなどでは瞬発的に締める場合もありますが、基本はスムーズな滑りを意識してください。
まとめ
- ラインは常に点検し劣化を防ぐ
- 砂や塩分を残さないようにメンテナンス
- ドラグはターゲットに合わせて調整
- ファイトはポンピングで負荷分散
- 定期的なオイル・グリスアップを行う
- ハンドルのガタつきもチェックする
- 収納時は直射日光を避ける
- ロッドとの相性を考慮して再調整
上記のポイントを抑えれば、長期間リール性能を維持しやすくなります。特に海水や砂の影響が大きいカゴ釣りでは、使用後のメンテナンスと適切なドラグ調整が安全に大物を仕留めるための秘訣です。