リールグリス選びは初心者ほど迷いやすいものですが、実はリールの寿命や快適性を左右する重要なポイントです。適切な製品を使い、こまめなメンテナンスをするだけで、巻き心地や耐久性が大きく変わります。本記事では、初心者にもわかりやすいリールグリスの選び方とメンテナンスの基本を解説します。
釣りメーカーリールグリスの選び方

耐水性・防錆性能の高さ

- 潮に対する耐久性
- 内部パーツの腐食防止
- 長期的なサビ予防
リールは海水や雨水などの水分にさらされるため、耐水性と防錆性能が高いグリスを選ぶと寿命を大きく延ばせます。特にソルトウォーターの釣行が多い方は、塩分の影響を受けにくい製品を選ぶとより安心です。水洗い後にグリスが流されにくいタイプを使うと、メンテナンス頻度も減らせて効率的といえます。
釣行回数や使用環境にもよりますが、5回〜6回釣行ごとにチェックがおすすめです。防錆性が高くても定期的な管理が必要です。
温度による粘度変化の少なさ
リールは屋外で使用する道具なので、寒暖差によるグリスの硬化や柔化が顕著に影響します。低温で固まってしまうグリスだと巻きが重くなり、高温下で垂れやすいタイプは回転が不安定になります。季節を問わず安定した粘度を保つグリスなら、異音や操作感の低下を防げるため、快適な釣りを続けられます。
必須ではありませんが、気温差が激しい地域では季節ごとに適した粘度を使う方が快適です。通年で使いたい場合は中間粘度が無難でしょう。
樹脂・ゴムパーツとの相性
- 溶剤による変形防止
- ゴム部品の劣化予防
- 樹脂パーツへの攻撃性の有無
リール内部には樹脂やゴムが使われている箇所も多く、強い溶剤が含まれるグリスを使用すると劣化や変形を招くおそれがあります。購入前にパッケージやメーカー情報を確認し、素材に優しいかどうかをチェックするのがおすすめです。樹脂対応やゴム対応と明記されていれば、トラブルの確率を減らせます。
はい。変色や膨張が見られたら、別のグリスを使うか部品交換を検討してみてください。対策が遅れると不具合が広がる可能性があります。
適切な粘度(ギア部とベアリング部での使い分け)
リールギアには負荷がかかりやすいため、やや高めの粘度でしっかり摩擦を抑えるグリスが有効です。ベアリング部は回転性能を維持したいので、粘度が低いものやオイルと組み合わせるのが理想となります。どちらも1種類で対応可能ですが、用途別に使い分ける方が性能を引き出しやすいでしょう。
異なるグリスを混在させると相性の問題が出る場合があります。一度脱脂してから別の粘度のものを使うとトラブルを回避できます。
金属同士の相性と防腐食性

リールにはアルミやステンレスなど複数の金属パーツが組み合わさっています。それぞれ酸化や腐食への耐性が異なるため、グリス選びが重要になります。金属の材質を事前に把握し、防腐食性に優れた製品を使用すれば長期間トラブルを抑えられるでしょう。
金属の組み合わせや海水の付着で電食が進むこともあります。耐食性のあるグリスを使用し、定期的に洗浄することが大切です。
実績・評判を重視して製品を選ぶ
実績や評判が豊富なリールグリスは多くのユーザーが使った結果が反映されているため、性能や注意点が明確です。SNSやレビューサイトで使用感やトラブル事例を確認することで、製品の向き・不向きを見極めやすくなります。最終的にはご自身のリールや釣りスタイルと合っているかチェックしてから導入しましょう。
リールメーカーの純正品を試して比較するのも良い方法です。互換性の面で安全性が高いので失敗しにくいです。
釣りメーカーおすすめのリールグリスの6選
シマノ(SHIMANO) リールグリススプレー SP-023A

スプレータイプで、ギア部分やスピニングリールの低速回転部のベアリングに適しています。極細ノズルでピンポイントに塗布でき、手を汚さずにメンテナンスが可能です。
シマノ(SHIMANO) DG04 サービス用グリス ACE-2

ベイトリールや両軸リール、電動リールのギアやウォームシャフトに適したグリスです。内容量は30gで、少量でも効果的なメンテナンスが可能です。
ダイワ(DAIWA) 純正リールガード グリス

スピニングリールやベイトリールのギアなど、可動部全般に使用できるスプレータイプのグリスです。リールオイルとのセット品も販売されています。
アブガルシア(Abu Garcia) リールグリス

アブガルシア純正のリールグリスで、リールの各可動部に使用できます。リールの性能を維持し、長寿命化に寄与します。
IOSファクトリー(IOS FACTORY) ギアグリス

高性能なギアグリスで、リールのギア部分に使用することで滑らかな回転を実現します。
グリッチオイル(GLITCH OIL) プレミアムマテリアグリス

高品質な素材を使用したプレミアムグリスで、リールの可動部に使用することで耐久性と滑らかさを向上させます。
使用時の注意点

塗布量のコントロール
リールグリスを多く塗れば安心と思われがちですが、過剰な量は汚れを集めやすく巻きが重くなる原因ともなります。少なすぎる場合も潤滑不良を招き、ギア同士が噛み合って異音や摩擦が増えるリスクが高まります。余分なグリスは拭き取り、適度な薄さで塗ることが耐久性を上げるポイントです。
各ギアの歯先にうっすら膜ができる程度が理想です。塗りすぎは避け、足りないと感じる部分だけ後から追加しましょう。
定期的な洗浄と注油
リールを長持ちさせるには、洗浄と注油のセットをこまめに行うことが大切です。海釣りなら5回程度の釣行ごと、淡水釣りでも10回前後で一度グリスの状態をチェックするのが理想的といえます。パーツクリーナーなどで古いグリスや汚れを落としてから、新しいグリスを丁寧に塗布しましょう。こうした定期ケアが不具合や摩耗を最小限に抑えます。
必須ではありませんが、パーツクリーナーを使うと素早く汚れを除去できます。水洗いだけでは落ちにくい汚れにも効果的です。
グリスの混在を避ける
異なるメーカーや種類のリールグリスを併用すると、相性が悪く性能を損なう場合があります。成分が混じり合って粘度や化学特性が変化する恐れがあり、最悪の場合リール内部を傷めることにも繋がります。製品を切り替える際は、一度しっかりと洗浄し、古いグリスの残留を防いでから次のグリスを使うようにしましょう。
相性が分からない場合、避ける方が無難です。混ぜると本来の潤滑力を発揮できない可能性があるため、洗浄後の使用をおすすめします。
まとめ

- 耐水・防錆性が高いものを選ぶ
- 温度差による粘度変化が少ないか確認
- 樹脂・ゴムとの相性をチェック
- ギア部とベアリング部で粘度を使い分け
- 金属の素材に合わせ防腐食を重視
- 評判や口コミは選定時の参考になる
- 塗布量をコントロールして過不足を防ぐ
- 定期的な洗浄と注油で寿命を伸ばす
リールグリスは、適切な製品と適切な使い方を選べば、リールのトラブルを減らし快適な巻き心地を長く維持できます。グリスの特徴や相性を見極めて、あなたの釣りスタイルに合ったメンテナンスを続けてみてください。