ハゼをルアーで釣る「ハゼクラ」は、手軽かつゲーム性の高さが魅力です。小さなクランクベイトを使って、波打ち際や浅場を探っていけば、初心者でも十分ハゼをヒットさせられます。今回は、ハゼクラで押さえるべきポイントや使い方を分かりやすく解説します。
ハゼクランクの選び方

クランクベイトを選ぶ3つの要点

・潜行深度
・ボディサイズ
・アクションの強さ
ハゼを狙うクランクベイトを選ぶ際は、潜行深度やボディサイズ、アクションの強さをチェックしましょう。水深1m前後を攻略できるモデルが扱いやすく、ボディサイズも小型ならハゼの口に合いやすいです。アクションが強すぎると底に刺さりやすくなるので、程良い潜行角度を持つものがおすすめです。おおむね30〜35mm程度のクランクベイトなら、幅広いポイントを攻められます。
まずは1m程度を攻められるミディアムランナータイプを用意し、深場を狙いたいときにディープタイプを追加するとよいでしょう。
クランクベイトの素材と形状
ハゼクラ用のクランクベイトは、バス釣りやトラウト用の小型モデルでも代用できます。しかし、砂泥底や貝殻など障害物の多いポイントで使うため、リップが適度に長く根掛かり回避能力に優れたものが理想です。底をズル引きしやすい形状を基準に選びましょう。
フローティングタイプのほうが根掛かりが少なく扱いやすいです。シンキングもありですが、初心者はフローティングを優先しましょう。
フックの選び方
・シングルフック推奨
・アシストフック併用
・フロントフックは外す場合も
クランクベイトについているフックをシングルフックに交換すると、根掛かりリスクが減りハゼを掛けやすくなります。また、リアにアシストフックをつけるとバイトが浅いときでもフッキング率が上がります。フロントフックは根掛かりを減らすために外すケースもありますが、ルアーのバランスが崩れないようにオモリなどで調整しましょう。
きらめきでアピールを強める効果があります。とくにショートバイトが多いときはフェザー付きのアシストフックが有効です。
ハゼクラで意識したいカラー
カラーローテーションはハゼクラでも重要です。水色が濁っていれば白やピンク、チャートなど目立つカラーがよく、透明度が高い場合はブラウンやオリーブ系の自然色が反応しやすいです。同じポイントでもハゼが慣れてきたらカラーチェンジして再アプローチすることがポイントです。
まずは万能型のブラウン系がおすすめです。次にピンクやチャートを追加すると使い分けが効きます。
ハゼクランクに適正なタックル
小さなクランクベイトを扱うなら、アジングロッドやメバリングロッドなど1~5g程度のルアーに対応できるロッドが適しています。リールはスピニングの2000番台を基準に、ラインはナイロン3lbかPE0.3~0.5号+リーダー1~1.5号が無難です。これらの組み合わせで、軽量なクランクベイトを安定してキャストできます。
感度重視ならPE、扱いの簡単さを求めるならナイロンです。根掛かり時の強度も踏まえ、自分のスタイルに合わせて選びましょう。
ハゼクランクの使い方

ボトム攻略の3ポイント
・底の感触を意識
・デッドスロー巻き
・軽いストップ
ハゼは底付近を回遊しているため、クランクベイトがしっかりボトムに当たるようにキャスト後はルアーを素早く潜らせてデッドスローで巻きます。時々巻きを止めてクランクが浮く動きを与えると、ハゼが追い食いを仕掛けてくることがあります。ボトムのゴツゴツとした感触を感じながらゆっくり攻めましょう。
1秒から2秒程度でOKです。大きく止めすぎると根掛かりしやすくなるので注意してください。
投げて巻くだけじゃない?

ただ巻きが基本ですが、ハゼの活性が低いときは軽くロッドをシャクってボトムを叩く「ボトムバンプ」を織り交ぜたり、2~3回巻いて止める「ストップ&ゴー」を使ったりして変化をつけるのが有効です。ただし、過度に派手なアクションは根掛かりにつながりやすいのでほどほどにしましょう。
軽くラインを弛ませてからロッドを立てるなど、いろいろな方向にテンションを掛け直してみると外れやすいです。
潮やポイントの選び方
・潮位が高いとき
・浅い波打ち際
・河口部の緩い流れ
ハゼは潮位が高い時間帯に岸近くへ接近する性質があり、浅場に集まりやすくなります。そのため満潮前後のタイミングを狙うのが定番です。河口付近や水路など、流れが緩やかで砂泥底が広がっているエリアが好ポイント。また、水が澄んでいるときのほうがルアーをしっかり見つけてもらいやすいです。
ハゼが沖に下がり気味で狙いづらいです。ポイントを丁寧に探れば釣れますが、満潮付近のほうが圧倒的に楽に釣りやすいですよ。
アタリを逃さない合わせ方
ハゼクラのアタリは「コンコン」と明確に出ますが、早アワセしすぎるとすっぽ抜けることが多いです。巻きながらテンションを保ち、ハゼがフックをしっかり食い込んでから穏やかにロッドを立てましょう。根掛かりと間違えそうな感触でも、ハゼが走ればすぐ分かります。
フックサイズを小さくしアシストフックを併用すると、ショートバイトでもフッキング率が上がります。
数釣りを楽しむコツ

ハゼは潮位に合わせてある程度まとまった群れで移動するので、一度時合に入れば連発することもあります。しかしアタリが途切れたら場所替えがおすすめ。近くでも水深や底質が変化している場所をランガンし、釣果を伸ばしていきましょう。
15分から30分ほど移動して別ポイントを攻め、再度同じ場所に戻れば群れが回遊している場合も多いです。
おすすめのハゼクランク8選
ダイワ ハゼクランク MR

潜行深度約1.3mのミディアムランナータイプ。サイズは32mm、重さは2.9gで、シャローエリアを広範囲に探るのに適しています。
ダイワ ハゼクランク DR

潜行深度約2mのディープランナータイプ。サイズは32mm、重さは3.6gで、深場を効率的に攻めることが可能です。
デュオ テトラワークス クラクラ

潜行深度約0.2〜1.0mのフローティングタイプ。サイズは30mm、重さは2.5gで、障害物回避能力に優れています。
バスデイ はぜ玉

サイズ27mm、重さ3.1gのスローフローティングタイプ。特殊な「はぜ早掛フック」をリアに採用し、ショートバイトをしっかり捉えます。
ジャッカル エッグナッツ

サイズ28mm、重さ2.3gのフローティングタイプ。エリアトラウト用としても使用可能で、バーブレスのシングルフックを装備しています。
メガバス グリフォン SR-X

サイズ45mm、重さ7gのシャローレンジ対応クランクベイト。独自のアクションでハゼを誘います。
シマノ カーディフ ふわとろ 35F

サイズ35mm、重さ2gのフローティングタイプ。スローリトリーブでの使用に適し、ナチュラルな動きが特徴です。
ティムコ 野良ネズミ

サイズ50mm、重さ4.5gのトップウォータープラグ。表層付近でのハゼの反応を引き出す際に有効です。
使用時の注意点

根掛かりとラインブレイクを防ぐコツ

ハゼクラは砂泥底や貝殻、石などが多い場所を狙うため、根掛かりやラインブレイクが起きやすいです。あらかじめリーダーをやや太めにする、フロントフックを外してシングルフックを使用するといった工夫でトラブルを減らしましょう。また、根掛かりを感じたら無理に引っ張らず、一度ラインテンションを緩めてから別方向へ引くのも有効です。
強引に引く前に場所を変えたり、ラインを緩めてから軽く揺すってみてください。それでもダメなら安全面を考えてラインブレイクしましょう。
周囲への配慮とマナー
ハゼクラは比較的浅い岸近くで行うことが多く、ほかの釣り人との距離も近くなりがちです。キャストの際、周りに十分注意するのはもちろん、隣とのスペースを確保してトラブルを避けましょう。ゴミは必ず持ち帰り、釣り場や駐車場のルールを守ることが大切です。
まずは互いに仕掛けを緩め、どちらも落ち着いて絡みをほどいてください。焦ると大きなトラブルにつながるので慌てず行動しましょう。
満潮狙いとポイント移動を意識
ハゼは岸近くを回遊しているため、水深がある満潮前後のタイミングが狙いやすいです。浅場にハゼが寄ってきたらまとめて数釣りが期待できますが、アタリが途切れたらポイント移動を検討しましょう。一つの場所で粘りすぎず、こまめに移動するほうが好釣果につながるケースが多いです。
なるべく満潮の前後2~3時間を狙うようにすると効率的です。地形や潮位を考慮してポイントを選びましょう。
道具の手入れ
海水や砂泥が付着したまま放置すると、フックやスプリットリングが腐食しやすくなります。釣行後はルアーやロッド、リールを軽く真水で洗い流し、タオルで拭いて十分に乾かしましょう。特に金属パーツはサビやすいので注意が必要です。
状態によりますが、錆びたり先が丸くなったら早めに交換してください。新品の鋭いフックはバラシ防止にもなります。
記事のまとめ
- クランクベイトは潜行深度を重視
- 根掛かり回避にはリップの形状が大事
- フックはシングルやアシストが効果的
- カラーは水色に合わせてローテーション
- デッドスロー巻きとストップが鉄板
- 満潮前後を狙って数釣りを狙う
- バイトが減ればポイント移動
- 釣行後は水洗いと乾燥を徹底
ハゼクラは小さなクランクベイトで手軽に楽しめる釣りですが、奥深い要素がたくさん詰まった魅力的なジャンルです。初めて挑戦する場合はシンプルなタックルを用意し、まずは満潮前後のシャローからスタートしてみてください。丁寧なボトム攻略と時合を活かして、たくさんのハゼをゲットしましょう。